スリッページルールは、指値注文のスリッページを制限するための規定です。
スリッページの発生は、高いボラティリティ、低い流動性、またはその他の市場要因により、指値注文の指定価格と約定時の成行価格に乖離が生じた際に起こります。
スリッページルールは、すべての金融商品およびすべての口座タイプに適用され得ます。
いつスリッページ規制が適用されるのか
指値注文で指定された価格と約定時の成行価格に差がある場合、このルールにより約定時の成行価格と注文の指定価格の差がpipで確認されます。
- 特定の金融商品において、その差が一定のpip値(スリッページが発生しない範囲)に達した場合、注文は成行で約定されます。
- 差がスリッページが発生しない値幅未満の場合、注文はリクエスト価格で約定されます。
スリッページが発生しない値幅は、取引金融商品によって異なります。 (以下の表をご参照ください)
スリッページ規制の影響を受ける口座と金融商品
- -cのサフィックスが付いている(スタンダードセント口座)すべての通貨ペア
- 仮想通貨、エネルギー、株式、インデックス(指数)を含むサフィックス-m(スタンダード口座)のすべての通貨ペア。
- 仮想通貨、エネルギー、株式、インデックス(指数)など、-zのサフィックスが付いている(ゼロ口座)すべての通貨ペア。
- 仮想通貨、エネルギー、株式、インデックス(指数)など、サフィックスが付いていない(プロ口座およびロースプレッド口座)すべての通貨ペア。
スリッページが発生しない値幅
+この表には、一般的な通貨ペアが記載されています。
取引金融商品 |
スリッページが発生しない値幅(pip) |
EURUSD |
0~8 |
GBPUSD |
0~7 |
USDCHF |
0~10 |
USDJPY |
0~8 |
EURJPY |
0~10 |
GBPJPY |
0~15 |
AUDUSD |
0~10 |
USDCAD |
0~10 |
EURGBP |
0~8 |
EURCHF |
0~10 |
GBPCHF |
0~12 |
XAUUSD |
0 - (3x スプレッド)* |
BTCUSD |
0 - (3x スプレッド)* |
XAGUSD |
0~30 |
GBPAUD |
0~10 |
GBPNZD |
0~24 |
EURAUD |
0~12 |
NZDUSD |
0~16 |
EURNZD |
0~24 |
AUDJPY |
0~8 |
GBPCAD |
0~15 |
EURCAD |
0~8 |
AUDNZD |
0~8 |
CADJPY |
0~8 |
AUDCAD |
0~8 |
NZDCAD |
0~8 |
NZDJPY |
0~8 |
CADCHF |
0~8 |
USOIL |
0 - (5x スプレッド)* |
USTEC |
0 - (3x スプレッド)* |
US30 |
0 - (3x スプレッド)* |
*使用されたスプレッドは、以下の例のように、注文約定時のものです。
スリッページが発生しない値幅は変動し、市況や取引アクティビティに基づいて上記で指定された値とは異なる場合があります。 変動は新規および既存の指値注文に影響します。
手数料がかかる口座(ロースプレッド口座やゼロ口座など)には、スプレッド(該当する場合)のほか、スリッページが発生しない値幅の計算にロット毎の片道手数料が含まれます。
スリッページルールの例
+プロ口座でXAUUSDの買い注文を、1965.636で決済逆指値(S/L)で発注します。 市場にギャップや非常に高いボラティリティが発生し、決済逆指値(S/L)注文の約定時の価格は1965.626となり、設定した決済逆指値(S/L)より10 pip低くなったとします。
その結果、指値注文(決済逆指値(S/L))のリクエスト価格(1965.636)と約定時の市場価格(1965.626)が異なるため、約定にスリッページが発生します。
ただし、スリッページ規制があるため、差額がスリッページが発生しない値幅内であれば(XAUUSDの場合、上記の表が示すように0~3 × スプレッド)、代わりにリクエスト価格で約定されます。
XAUUSDのスプレッドが20 pipの場合、XAUUSDのスリッページが発生しない値幅は0~60 pipです。 約定時のリクエスト価格と市場価格の差は10 pipとなり、最大の60 pipよりも低くなります。 従って、決済逆指値(S/L)は市場価格ではなくリクエスト価格で約定されます。