ギャップレベル規制は指値注文のスリッページを抑えるためのもので、指値注文の価格が価格変動性またはその他の要因により価格ギャップ内に収まる場合に適用されます。
ギャップレベル規制はスタンダードセント、スタンダード、プロ、スタンダードプラス、ロースプレッド、ゼロ口座に適用されます。
ギャップレベルとは
ギャップレベルは指値注文のリクエスト価格とギャップ後すぐの市場価格とのpip差を示します。
それぞれの取引金融商品にそれぞれのギャップレベル値があります。 (ギャップレベル値については以下の表を参照してください。)
ギャップレベル規制が適用されるケース
ギャップレベル規制は、指値注文で指定されたリクエスト価格がギャップ内にある場合に適用されます。 この規制では、ギャップ後最初の市場価格と注文のリクエスト価格のpipsの差が特定の金融商品の特定のpips数(ギャップレベル)以上の場合、注文はギャップ後の最初の市場価格で約定されます。 差がギャップレベル以下の場合、注文はリクエスト価格で約定されます。
ギャップレベル規制が適用される口座と金融商品グループ
ギャップレベル規制は次の金融商品に適用されます:
- サフィックスが -c のすべての通貨ペア(スタンダードセント口座)
- 仮想通貨、エネルギー、株式、インデックス(指数)を含む、サフィックスが -m のすべての通貨ペア(スタンダード口座)
- 仮想通貨、エネルギー、株式、インデックス(指数)を含む、サフィックスが -z のすべての通貨ペア(ゼロ口座)
- 仮想通貨、エネルギー、株式、インデックス(指数)を含む、サフィックスのないすべての通貨ペア(プロ口座、ロースプレッド、およびスタンダードプラス)
一部の共通通貨ペアのギャップレベル値:
取引金融商品 | ギャップレベル (pips) |
---|---|
USDCHF | 10 |
USDJPY | 8 |
USDCAD | 10 |
GBPJPY | 15 |
GBPUSD | 7 |
GBPCHF | 12 |
GBPAUD | 10 |
GBPNZD | 24 |
GBPCAD | 15 |
EURAUD | 12 |
EURUSD | 8 |
EURJPY | 10 |
EURGBP | 8 |
EURCHF | 10 |
EURNZD | 24 |
EURCAD | 8 |
AUDUSD | 10 |
AUDJPY | 8 |
AUDNZD | 8 |
AUDCAD | 8 |
CADJPY | 8 |
CADCHF | 8 |
NZDUSD | 16 |
NZDCAD | 8 |
NZDJPY | 8 |
XAGUSD | 40 |
XAUUSD | 3xスプレッド** |
BTCUSD | 3xスプレッド** |
* ギャップレベル値は変更される場合があります。 変更は新規と既存の指値注文に影響します。
** スプレッドは注文の約定時に使用されます。 以下の例2をご覧ください。
ゼロ取引口座の場合:XAUUSDのギャップ値はスプレッドの3倍ですが、この口座のスプレッドは大抵の場合、大半の金融商品でゼロなのが特徴です。 スプレッドだけでなく、別途の手数料運用を通じて取引コストが課される取引口座は、「実際のスプレッド」を使用するスプレッドベースのギャップレベル計算の対象となります(計算:スプレッドコスト + 片道手数料コスト=実際のスプレッド)。 実際のスプレッドは、スプレッドベースのギャップレベル値を求めるために使用されます。 その結果、プロ口座とゼロ口座のギャップレベルは「プロスプレッドコスト」と同じになります。これは「ゼロスプレッドコスト + ゼロ片道手数料」に等しくなります。従って、ギャップレベルの計算に使用される実際のスプレッドは、プロ口座とゼロ口座で同じです。 この例については、以下をご覧ください。
ギャップレベル規制の例
例1:
プロ口座を使用してEURUSDの逆指値買い注文を1.30560の価格で発注したとします。 その後、価格ギャップが出てきます。 ギャップ前の最後のASK(買)価格は1.30550で、ギャップ直後の最初のASK(買)価格は1.30620でした。 逆指値買い注文の価格を知るには、ギャップ後の最初のASK(買)価格と注文で指定した価格とのpipsの差を算出する必要があります。
(1.30620 - 1.30560)= 0.00060 = 6 pips
次に、トレードしている金融商品のギャップレベル値を表から算出します。EURUSDの場合、8 pipsです。
6<8であるため、ギャップレベル規制に従い、逆指値買い注文は注文で指定した価格である1.30560で約定されます。 これは、注文が最新の時点での市場価格よりも6 pips収益の高い価格で約定されることを意味します。
例2:
プロ口座を使用してXAUUSDの買い注文を1817.635で決済逆指値(S/L)で発注したとします。 価格ギャップが出てきて、ギャップ前の最後のBID(売)価格は1817.730で、ギャップ後の最初のBID(売)価格は1814.730でした。 この時点のASK(買)価格は1815.030です。
スプレッド = (Ask(買)価格 - Bid(売)価格) / ピップサイズ
= (1815.030 - 1814.730) / 0.01
= 30 pips
そのため、この時点のXAUUSDギャップレベル値は、3 x 30 = 90 pipsとなります。
買い注文が決済される価格を算出するには、ギャップ後の最初のBID(売)価格と注文で指定した価格とのpipsの差を確認する必要があります。
(1817.635 — 1814.730) / 0.01 =290.5 pips
290.5 > 90であるため、ギャップレベル規制に従い、買い注文は決済逆指値 (S/L) の1814.730で実行されます。
この例は、BTCUSDのギャップレベルの算出にも適用されます。
例3(ゼロ口座):
ゼロ口座でのXAUUSDzの買い注文の指値買いを1780.000で発注したとします。 価格ギャップが出てきて、ギャップ前の最後のASK(買)値は1784.090で、ギャップ後の最初のASK(買)BID(売)値は1778.590でした。 この時のBID(売)値は1778.590です(ゼロスプレッド)。
ロット毎の片道手数料はUSD 8です。
ギャップレベル=(「実際のスプレッド」x 3)÷ Pipサイズ=((スプレッドコスト + 片道手数料) x 3)÷(ロット x 契約サイズ x Pipサイズ)= ((0+8) x 3) ÷ (1 x 100 x 0.01)=24 ÷ 1=24 pips
買い注文が発注される価格を算出するには、ギャップ後の最初のASK(買)値と注文で指定した価格とのピップの差を確認する必要があります:
(1780.000 — 1778.590) ÷ 0.01 = 141 ピップ
141 > 24であるため、ギャップレベル規制に従い、買い注文は決済逆指値 (S/L) の1778.590で発注されます。