あらゆる取引プラットフォームでのトレード注文時、約定タイプには2種類あります。 通常は金融商品ごとにあらかじめ設定されており、変更はできません。
約定タイプとその特徴について解説していきます。
即時約定
即時約定とは、トレーダーがリクエストした価格でブローカーが注文を約定する方法であり、それ以外の場合、注文は約定されません。 つまり、注文を発注する際に金融商品の価格が変動した場合、ブローカーはお客様に、変更後の価格に同意することを確認する通知(リクオート)を送信します。
リクオートは、即時約定の成行注文にのみ適用されます。 指値注文を発注する場合、リクエストした価格とは異なる価格で注文が約定されても、リクオートの形で通知は送信されないことにご注意ください(弊社のスリッページ規制に基づく)。
例を見てみましょう。
トレーダーが、即時約定を提供するプロ口座でEURUSDの買い注文を発注するとします。 取引プラットフォームで買いをクリックした際の価格は、1.21701/1.21727でした。 即時約定のため、注文はお客様によってリクエストされた価格で発注されるか、まったく発注されないかのどちらかになります。 したがって、買い注文がASK(買)価格1.21727で開かれます。
次に、市場のボラティリティが高い状態でトレーダーが買いをクリックした際に、価格が1.21701/1.21727から1.21715/1.21738に急変した場合を考えてみましょう。 トレーダーは、画面に表示されるリクオートで、新しく変更された価格を確認します。 この通知は3秒間画面に表示されます。同意すると、注文は新しい価格で約定されます。 リクオートを拒否するか、操作がない場合、注文はキャンセルとなります。
リクオートがあまりにも頻繁に発生する場合は、標準偏差と呼ばれる設定をカスタマイズし、設定の値幅内でシステムが新しい価格を自動的に受け入れるようにすることができます。 標準偏差についての詳細は、こちらの記事をご参照ください。
成行約定
成行約定とは、トレーダーがコンマ数秒以内に現在価格で注文を約定する方法です。 価格は常に変動するため、約定価格はターミナルウィンドウに表示される価格より高い場合もあれば低い場合もあります。
この約定タイプのメリットは、約定スピードが最速で、トレーダーは100%確実に市場での売買を約定できることです。
以下の例を見てみましょう。
トレーダーが、成行約定を提供するスタンダード口座でEURUSDmの買い注文を発注するとします。 取引プラットフォームで買いをクリックした際に、価格が1.21705/1.21735から1.21719/1.21740に急変したとします。 システムは確認を求めることなく、変更後のASK(買)値1.21740で自動的に注文を発注します。 異なる価格に価格がずれることをスリッページといい、この約定タイプでは頻繁に発生します。
比較:即時約定と成行約定
成行約定と即時約定の大きな違いの一つは、前者にはリクオートが発生しないことです。 ただし、特に市場のボラティリティが高い時間帯は、短時間で価格が大きく変動する可能性があるため、リスクが高まります。
比較表で見てみましょう。
即時約定 | 成行約定 |
---|---|
リクオートが発生する(成行注文の場合)。 | リクオートが発生しない。 |
約定は価格の可用性に依存する。 | 約定が保証される。 |
ボラティリティとスリッページの制御を行える。 | ボラティリティとスリッページに対する高いリスクがある。 |
注:MT4でのプロ口座の成行約定はMT5とは異なります。 ボラティリティが高く、リクオートの回避が保証されない場合には、MT4でまだリクオートが発生する可能性があります。